アレクサンダー・テクニークを始めた頃のこと

始めたばかりの方とレッスンをしていると、「自分が始めた頃はどんなことを学んでいたのだっけ?」と思い出すことが増えました。

アレクサンダー・テクニークのレッスンに通い始めた頃の私は、特に熱心な生徒というわけではありませんでしたが、何だか良さそうだという期待を持ちながら、新しい体験を味わっていました。 定期的な時間が確保できず、本当にマイペースで通っていました。

そんな中でも、今まで気づかなかった体の緊張に気づくようになり、
「今、あごに力が入っている」「首に力が入っている」といった感覚情報が日々やってきて、
「こんなに緊張していて、どうしたらいいの?」という気持ちになりました。
先生は、「気づいたら、ただやめればいいんです。」と言います。
「そんな~、早くどうにか解決したい」と思いながらも、少しずつ自分の観察ができるようになっていきました。

レッスンでは、テーブルに横たわった状態で行うワークと、椅子を使って立ったり座ったりするワークと、日常的にやっていること(私の場合は主にヴァイオリンを弾くこと)をみてもらっていました。
立つことが変わり、ヴァイオリンの構えが少し変わったころに、印象に残っているレッスンがあります。

私は、昔からヴァイオリンの構えがしっくりこなくて、鎖骨や首や顎のことがずっと気になっていました。
その日のレッスンでは、「立っているときは随分楽になったんですけど、座っているときがうまくいかなくて」と言って、立って弾いた後、座って弾いてみて、「ここの首のあたりが、、、」と訴えました。
自分の意識は首周りのことでいっぱいでした。

私の動きを見ていた先生は、骨盤のことを説明して下さり、椅子の座面とおしりの間に手を入れて、骨盤を前傾させて胴体を支えることを教えてくれました。
座り方が変わると、楽器の構えが立奏時と同じようになりました。

このように文章に書くと、当たり前の話のようにも思えるかもしれませんが、ヴァイオリンの構えの問題は、学生時代から何となくしっくりこなくて、色んな人に相談してきたことだったのです。

座り方と楽器の構えの関係を、こんなに「するっと」教えてもらったのは初めてのことでした。

その後の数ヶ月間は、オーケストラの練習中座っていることが楽しくて、座り方を変えると楽器の体への接し方が変わることを楽しんでいました。
それまでは、どの椅子が座りにくいとか座りやすいとか、浅く座るか深く座るかとか、そんなことをいつも気にしていたけれども、その日から椅子はあまり関係なくなって、「骨盤にのっていれば大丈夫!」と思えるようになりました。

「なんだか構え方がしっくりこないな~」と、もぞもぞしていた状態から、
「楽器を構える前に座っている自分の全身を考えよう」と変わりました。

この経験から、体全体のつながりを再認識するとともに、アレクサンダーの先生ってすごいなと思いました。

自分の使い方の探究が、だんだん楽しくなってきました。